食事のタイミングで血糖値が変わる?|知っておきたい時間栄養学の基本
「何を 食べるか(内容)」「どれくらい 食べるか(量)」だけでなく、
“いつ 食べるか”(時間)――じつはこの要素こそ、血糖値を安定させる隠れカギだったりします。
私は管理栄養士として日々カウンセリングを行うなかで、必ずこうお伝えしています。
「献立をまるごと変えなくても、食べる時刻を整えるだけで血糖値のカーブは驚くほどゆるやかになりますよ」
実際、同じメニューでもタイミングを少しずらすだけで体の反応がガラリと変わる方を何人も見てきました。
そこで今回は、今日から試せる“時間栄養学”のコツをコンパクトにまとめました。
🕰 どうして「食べる時間」が大事なの?

私たちの体は〈体内時計=サーカディアンリズム〉に合わせて働いています。
このリズムに合わせて、 インスリンの分泌量 や 糖の吸収スピード が変わるため、
食べる時刻 が違うだけで血糖値の上がり方に差が出るのです。
🍴 血糖値を守るために大切な食事タイミング3ポイント

食事を抜くと、次の食後血糖が跳ね上がりやすい――。
さらに代謝リズムも崩れ、体脂肪がつきやすい状態になる……だから、タイミングが重要性なのです。
🌅 ① 朝食は必ず食べる(抜かない)
- 朝食を抜くと…
- 昼食後の血糖値が急上昇しやすい
- 体が“飢餓モード”になり、脂肪をためこみやすい
朝は 体内時計のリセットボタン。
軽くてもOK、何か口にすることがとても大事です。
【おすすめ朝食例】
- ゆで卵+ブランパン+無糖カフェラテ
- 雑穀おにぎり+具だくさん味噌汁
🕛 ② 昼食は「しっかり食べる」
昼は体内リズム上、最も血糖値が安定しやすい時間帯。
ここで
- たんぱく質
- 野菜
- 適量の炭水化物 をバランス良く摂ると、夜のドカ食いも防げます。
忙しい日でも、コンビニで
「おにぎり+サラダチキン+味噌汁」
などを組み合わせると◎
🌙 ③ 夕食は「控えめ+早め」にする
夜はインスリンの働きが弱まり、血糖値が上がりやすい時間帯。
したがって夕食は—
- 炭水化物を控えめに
- 野菜とたんぱく質を中心に
- 就寝3時間前まで に済ませる
【例】グリルチキン+海藻サラダ+もち麦少なめごはん
もし夜遅くの食事が常態化しているなら、
夕方に軽食 → 就寝前はスープ程度
という二段構えも効果的です。
🧠 まとめ|食事タイミングも「やさしいリズム」で
血糖値コントロールで覚えておきたいのは、たったこれだけ。
✅ 朝食を抜かない
✅ 昼食をしっかり食べる
✅ 夜は軽めに早めに食べる
このリズムを守るだけで、体の負担はぐっと軽くなります。
まずはできるところから。
「明日の朝ごはんを食べる」 ところから始めてみませんか?
小さな一歩が、未来の大きな変化につながります。
(参考:厚生労働省『日本人の食事摂取基準(2025 年版)』/独立行政法人国立健康・栄養研究所 2023 レビュー ほか)